日本版「芝麻信用」が出来たらどうしよう?(妄想)

小ネタ

中国の芝麻信用がスゴい

今や中国IT企業としての超大手となった「阿里巴巴(アリババ)」という会社があります。
中国版の楽天というかSoftBankと言えばいいか、とにかく傘下のショッピングモールサイトでは、セール中の1日の売上が1兆円を超えたりとか、凄まじい勢いで伸び続けているIT企業なのですが、ここが始めている「芝麻信用(じーましんよう)」というサービスが今、金融決済界隈で注目を集めているのです。

見てはいけない信用情報をコンテンツ化した

芝麻信用というサービスを一言で言えば「ソーシャル与信」です。金融に馴染みの無い方からするとややこしい言葉ですが、クレジットカード作る時とか、ローンを組む時、さらに最近ではケータイの割賦払いを申し込む時とかに、店員さんに年収とかを伝えて「この人に融資しても大丈夫だよ」という情報を確認するのが与信です。
その名の通り、信用を与えるものですね。
通常の与信サービスは業界団体などで運営していて、いわゆるブラックリストというものもここで管理されています。
なので、今までは業界団体のみが触れることができる機密なものだったのですが、芝麻信用はそれを一般公開して、なおかつちゃっかりソーシャルゲームのような要素まで入れてしまいました。

芝麻信用のスコアは一般公開されており、自分でも当然見ることができます。で、自分のスコアが高くなると「借金がしやすくなる」という以外でも、ビザが取れやすくなったり、引越しの敷金が要らなくなったり、と「この人は信用できる人ですよ!」というのをコンテンツのように見せて、かつそれが現実社会に繋がっている、というのが芝麻信用の凄さなのであります。まさにプライバシー切り売りの人生ゲームです。

今、中国の若者は芝麻信用のスコアをあげようと、ケータイを止められないように小まめに支払ったり(※)、寄付をしてみたりとこの人生ゲームに夢中になっています。
※:中国のケータイはデポジット型の都度払いのものが多いので、電話番号が長く生きてる人は信用が高い、と判断できると芝麻信用ではスコアリングしていたりするようです。

日本で展開するにあたり

ではこれを日本でやるとしたらどうでしょう?このプライバシー重視の中で、かなりの逆行となる部分は否めないかと思います。
そもそも日本では「他人の財布を覗く」とか「借金の有無の話をする」というのが少なからずタブーであり、マナー違反のような文化があると思います。
誰かが財布を広げた時に、みんな目線を外すのが普通で、まじまじと覗き込むなんてしませんものね。。

また出自等の情報で格付けするなんてもってのほかです。出自差別は非常によろしくない事ですし、それが差別に繋がっている部分は大きいと言われています。

ただ、今回はあくまでも悪ノリということで、日本で芝麻信用的なサービスを展開しつつ、かつ本家よりもエグいことやって流行らせるにはどうしたらいいかを考えてみます!

出生率とか考えて男性は低得点

いきなりジェンダー的に追い込んでいきます。
現在、出生率が下がり続けているのは日本の大きな問題。子供を産む事のできない男性は最初から低得点でスタートすることにしましょう。ハードモードというやつです。

京都生まれは高得点。群馬は低得点

さらには出自問題もぶっ込んでいきましょう。古都京都のご出身の方であれば、きっと名家であられるので、性格はあまり良いかどうかわかりませんが一律高得点にします。
逆にネットで常にdisられる群馬はそのまま低得点にしておきましょう。

AB型は輸血で困るから低得点

さらにガンガンぶっ込んで、AB型は輸血の時に少数で困るので低得点とします。私自身AB型なので忸怩たる思いですが、ここは我慢です。ただし、その分献血した時のポイントを2倍とかにしてゲームバランスを取っていきたいところです。

インスタのフォロワー数が多いと高得点

若者救済を考慮すると、若者文化であるインスタで高評価を集めている人は、人脈という点で評価すべきでしょう。みんなしてカフェで撮影しまくるだけで評価が上がるとか夢がありますね!

結婚歴が長くなると高得点

逆に中高年が有利になるのが結婚歴。
長いこと夫婦でいるだけで、それはその人の信用力という点ではわかりやすい物差しになることでしょう。老夫婦とか最高得点になりやすい、と。

離婚、不倫は大マイナス

結婚歴をポジティブとするので、離婚と不倫は多大なペナルティとなってしまいます。
文字通りの社会的制裁が行われるということですね。これはどちらに原因があろうと、そこまでの判定はできなさそうなので、必ず痛み分けになってしまうのが後々問題になりそうです。

子供できると大量獲得ポイント

少子高齢化のためにも、子供が出来ることは高得点をあげたいところです。
2人目3人目と掛け目も高くして、子沢山=高得点となるように設計してほしいところですね。

地方の方がイージーモード

人口の一極化や地方過疎化も考えて、地方都市の方が得点を得やすくなるイージーモードにしておきたいところです。同じ就職や結婚でも地方で実施した方が得点が高くなるというのは、人口の分散にも一役買いそうです。

日本ならではの高得点者向けサービス

本国芝麻信用では今のところは、ローンの与信やデポジット不要系のメリットで進められていますが、後発となる日本では踏み込んだ特典を用意していきたいものです。

大学生までの信用得点で就職に有利

これはいいですね!子供の頃からボランディア活動とかしていたり、お小遣いをたくさん貯めていたりすると公務員試験が通りやすくなるとか、なかなかの管理社会感があってグッときます。

40歳過ぎても独身な高得点者には出会い斡旋

これも必要な特典です。独身であるがゆえに高額の納税をし続けた方に対しての労をねぎらいつつ、子供を作って更なる高みを目指してもらうためにも、出会いを優先して斡旋するというのはタブーに踏み込みまくる感じが心地よいです。

電車や車道で優先される

マンガ「美味しんぼ」の海原雄山が「馬鹿どもに車を与えるな!」と20年以上も前に怒鳴っていた事は一部有名ですが、日本版芝麻信用の高得点者は車道に優先レーンを作ったりするべきでしょう。
そうなると電車でも高得点しか座れないシートを用意すべきですね。
「普段一所懸命に頑張ってるから、金曜終電の中央線高尾行きでも私は悠々と座れるのだ…!」なんて誇らしげで素敵です。

タクシーも捕まえやすくなる

居酒屋からのキャバクラ×2店などで、カード切りまくってしまったような高得点者が、帰りのタクシーを捕まえられないなんて無念でなりません。
高得点者はタクシーをも優先して捕まえる権利が持てるようにすると、さらに経済が回ること請け合いです。

選挙権が増える

一気に炎上する話題ですが、一票の格差どころか票数にさえ差を付けてしまいましょう。投票所で「あいつ何枚も書いてるぜ…。高得点者だ!」とか周りから羨望の眼差しで見つめられつつ票を入れていきましょう。
何しろ高得点者はたくさん納税してたり、社会奉仕活動をたくさんしているのですから、票だってたくさんもらえて当然です。
というと、今までと違ってとある政党が…なんて本気で炎上しそうな話題はやめます。

水が美味しくなる

というわけでマイルドに。高得点者になれば水道水すら美味しくなります。フッ素入りで虫歯になりにくくなるのもよいですし、今ひとつ信憑性は不確かですが水素水にしてもよいです。

いやー!ホントに頑張って高得点者を目指したくなりますね!

底辺だとホントに苦しい

一方で低得点者になってしまうと生活がかなり苦しくなってきます。
かつこの制度でいうと、一度下に落ちると這い上がるのが非常に高難易度です。
資本主義に則った制度なので、上から落ちるのは簡単ですが、下から上がるのはなかなか一朝一夕にはいきませんし、累積納税額みたいなパラメーターがあったとすれば、元々底辺で頑張っていても絶対に勝ち目がなくなります。

信用が低いと地下に潜るしかなくなる

そうなってくると、この日本版芝麻信用の枠外に出るかたちで地下に潜るしかなくなってきます。アンダーグラウンドの世界では日本版芝麻信用のスコアなど何の意味も持たず、力とカネが支配する第二帝国が出来上がります。

反社だとアカウントがない。黒子。

元々が与信サービスなので、反社と言われる、いわゆる暴力団関係者や半グレ、そのままの犯罪者などはアカウントが作れません。
社会が日本版芝麻信用のアカウントで溢れると、反社達は様々な公益サービスも受けられなくなり、反社の子供は戸籍すら持たない黒子のような存在になってしまうことでしょう。
そして地下で生まれた子は生涯を地下で過ごすことになるのです。。

職なし、学なし、家族なしだと低得点から抜け出せない

犯罪者でなくても、ニートや引きこもりなども低得点になりがちです。
引きこもりの場合は外に出ないので、あまり低得点デメリットの影響を受けづらそうですが、両親が生活に困るようになり、引きこもりを扶養できなくなってしまいます。
いったん引きこもり予防のために、低得点者はネット回線スピードが常に制限かかってる、とかも入れておきましょう。

一発逆転サービスも

このままでは映画のような、上流階級とスラム街しかない国になってしまうので、低得点者や地下に潜ったものが、人生を一変できるボーナスシステムという救済処置が必要となってきそうです。

犯罪組織を裏切る

犯罪組織と手を切り、かつての仲間を裏切ることで地下から這い出る事ができます。
いつか地下の仲間に報復されたら、、というマフィア映画のような展開はありますが、犯罪組織の撲滅に向けては効果大なので、これはボーナス進呈で。

不正を告発する

同じように企業の内部告発なども、最近では「告発し損」という悲しい現実が多いようなので、一気にボーナスを差し上げましょう。現金を渡せない分、ここで良い思いをしてもらうのが報いになりそうです。

タイガーマスク行動

少し前に流行ったアレです。伊達直人と書いて孤児院にランドセル贈る的な。
非常に得点をあげたいところですが、あれは半匿名なのがいいところなので、今回のスキームでは採用できないかたちになります。素直に寄付しましょう。

元地下○○として名を挙げる

「元ヤン先生」的なノリで「元地下先生」とか「元地下弁護士」のように、マイナスからプラスの中でも難しいところに挑んだ方にはボーナスをあげてもよいでしょう。きっとマスコミも特集してくれるはずです。

24時間テレビ、ザ・ノンフィクションで取り上げられる

取り上げられると何故かボーナス付くようにしましょう。ドキュメント番組の取材協力だなんて、思うほどに謝礼も多くないようなので、こういったサービスで報いてあげるのが良さそうです。

お年寄りに尽くす

何だかんだでおじいちゃん子やおばあちゃん子は良い子という事で。

最終的に優しい世界になれば

ということで、やりすぎてしまうとおかしな世界になってしまう与信のソーシャル化ですが、私の日本版アイディアは妄想中の妄想ですが、実際の芝麻信用は物凄い勢いで成長を続けているので、日本進出も近いうちにあるやもしれません
芝麻信用も一部では資本主義の増長とか、経済だけを考えた公共性の無いもの、という批判はありますが、日本で同様のサービスが始まるとしたら、「良い事をしてると良い事になって返ってくる」という優しい世界にちょっとでも近づくようなものになっているといいなぁと思う私でした。

※最後キレイにまとめればいいと思っている典型ですね(笑)

追記:日本版芝麻信用っぽいサービスが始まってた…

J.Score

さすがソフトバンク…。。。今後注目ですね。

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